MOCAの安全な取り扱いについて
MOCA(4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン))は、熱硬化性ポリウレタンエラストマーの硬化剤として長年使用されてきた化学物質で、優れた加工性や物性を持っています。
一方で、IARC(国際がん研究機関)により「ヒトに対して発がん性がある」(グループ1)と分類されており、日本国内でもMOCAに起因する可能性のある膀胱がん事案が発生し、労災認定されたケースがあります。
このような背景から、多くの企業ではMOCAの使用削減や代替品の検討が進められています。しかしながら、MOCA特有の加工性やコストバランス、性能面での優位性から、現時点において、幅広い産業分野で使用を続けられています。
MOCAを安全に使用するためには、リスクを理解し、適切に管理することが不可欠です。事業者には、以下のような安全対策の実施や情報提供が求められます:
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局所排気装置などを用いた作業環境の整備
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適切な保護具の使用および取扱者教育の実施
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GHSラベルやSDSなど、関連法規に沿った情報の提示
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労働安全衛生法に基づく健康管理の実施
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労災保険制度や安全衛生情報の周知
当社では、これらに関する資料や情報の提供を通じて、法令遵守や安全管理の理解を支援いたします。

